池上彰ので、円高と円安について、説明をしていました。
そうか、学生の頃はいまいち把握していなかったな、と振り返り、この際に皆さんに知っておいてもらおうと思います。
詳しい説明は経済の専門サイトでいくらでもあると思うので、「ここさえ押さえればわかる!」という点のみ、シンプルに伝えようと思います。
・「円高」「円安」がわかりづらい理由
今、1ドル=100円だとしましょう。
これが以下のようになった時、それは、「円高」ですか?「円安」ですか?
A. 1ドル=80円
B. 1ドル=120円
こたえは、以下です。
A. 1ドル=80円 「円高」
B. 1ドル=120円 「円安」
は?!80円、って金額やすくなってるのに「円高」?
となるわけです。
それは、皆さんが「100円」を基準に考えてしまうため、こんな混乱に陥ります。
実は「アメリカ(ドル)を基準に」決められています。以下のように考えてみましょう。
A. 1ドル=80円=100円で1ドルに変えられていたのに、たった80円で1ドルに替えられるようになった!
=「円の価値が、以前よりも高くなった」
B. 1ドル=120円=100円で1ドルに変えられていたのに、120円も払わないと1ドルに替えられなくなった。。
=「円の価値が、以前よりも安くなった」
これが、単語の意味です。
・日本の生活にそれぞれ、どんな影響が出るの?
同番組の例をさらに詳しく説明することで、「円高」「円安」による影響を理解してもらいます。
日本が輸出で儲かるのは?
→「円安」
⇒1ドルが100円のとき、日本で作ったものをアメリカで1ドルで売ると、100円の売り上げになる。
1ドルが120円のとき、日本で同じものを作ってアメリカで1ドルで売れば、120円の売り上げになる。
ガソリンの値段が安くなるのは?
→「円高」
⇒1ドルが100円のとき、アメリカからガソリンを1ドルで買うと、100円で買える。
1ドルが80円のとき、アメリカから同じ量のガソリンを1ドルで買うと、80円で買える。
食事代が下がり家計に嬉しいのは?
→「円高」
⇒1ドルが100円のとき、アメリカから輸入食材を1ドルで買うと、100円で買える。
1ドルが80円のとき、アメリカから同じ輸入食材を1ドルで買うと、80円で買える。
海外旅行が安く行けるのは?
→「円高」
⇒1ドルが100円のとき、アメリカに旅行して1ドルで過ごすと、100円で過ごすことになる。
1ドルが80円のとき、アメリカに旅行して同じ過ごし方を1ドルですると、80円で過ごせる。
外国人観光客が爆買いをしやすいのは?
→「円安」
⇒1ドルが100円のとき、アメリカからの旅行客は1ドルを使うと、100円のものが買える。
1ドルが120円のとき、アメリカからの旅行客は1ドルを使うと、120円のものが買える。
大手スーパーが輸入品の値段が下がったので実施したのは何還元セール?
→「円高」
⇒1ドルが100円のとき、アメリカから輸入品を1ドルで買うと、100円で買える。
1ドルが80円のとき、アメリカから同じ輸入品を1ドルで買うと、80円で買える。
1ドル100円と1ドル120円、円安なのは1ドル?
→「120円」
なんとなくわかってきましたか?
なお、「多くの国際機関では、1ドル=105円あたりがバランスが良い」と言われているようです。
・では、日本にとっていいのは「円高」?「円安」?
業種によってメリットはちがい…
「円安」=輸出産業(車・電気電子部品)の業績が上がる、株価や企業の業績向上のため国民の収入が増える、外国人観光客が増える
⇒お金を稼ぐときにメリット
「円高」=輸入品が安くなる、海外旅行が安くなる、ガソリンが安くなる(輸入品が安くなる)
⇒お金を支払うときにメリット
というように、一概にどちらが良い、ということは言い切れません。
「円高」「円安」の特徴をとらえ、ニュースから日本と海外の状況を把握できるようにしておきましょう。
※参考・引用:池上彰のニュースそうだったのか!! 2時間スペシャル(テレビ朝日9/22(土)放送)