やっとなくなったーーー!!意味のない形骸化した経団連の表明!
ただ、時すでに遅し。学生の就活が早まった現状はもう、過去のように四年から、という形には戻らないでしょう。
さらに今回は「廃止」です。その結果、学生が、企業がどうなるかを無視した「廃止」。これまでの就活時期をコントロールして来た状況とは大きく異なります。
新しい時代に入ったと言えます。
そもそも現在の就活ルールを表明したきっかけは、大学生について四年の6月くらいまでちゃんと勉強してから、就活させたいという意図ではじめられました(専門学校生などは対象外)が、それまでも、ルール自体はありました。
過熱する学生獲得競争等、一年生の時期から「青田買い」として、採用活動がなされないようにするための目的です。
1953年:就職協定がスタート、選考開始日は10月1日となる
1997年:就職協定が廃止。「倫理憲章」が定められ選考活動は4月1日からとなる
2013年卒:説明会などの広報活動が12月1日からとなる
2016年卒:広報活動は3月1日から選考活動は8月1日からとなる
2017年卒:選考活動は6月1日からとなる
2021年卒:採用時期についてのルール撤廃
2017年卒から行われていたルールについては、そりゃ、ルールとして違反した(6月1日より前から選考活動をするなど)会社に罰則を作るなど、違反させないルールづくりがあらかじめなければ、守られるわけないですよね。
企業もインターンという手法をつかって、本来の就業体験の意図と、裏の採用活動の一環という動きをうまく使うようになりました。一方、学生側もそのように考えて、就職活動の一環として参加するようになりました。
また、大手や外資系や経団連にしばられない企業も、採用活動を推奨する期間を無視して行っているし、六月から開始なんて言ったら大手が決まったら内定辞退を出されるような企業はいったい何月に採用活動を終えられるんだとか、そんな問題も山積みのまま、見切り発車した印象です。
ただ、インターンが学生にも企業にとっても身近なものになったという点ではメリットがあったと言えます。
そんな経団連の表明も今回で終わります。それどころか、就職活動の時期、という考え方がなくなるかもしれません。
すくなくとと、もう3年の春過ぎからインターンで学生は就活を開始すればいい、という流れではなくなるでしょう。
今でも、企業によっては2年生から参加可能にして、学生との繋がりを青田買いするところも多いです。これからははっきりと「採用活動」と言い切って、3年、2年、もしかしたら1年生を対象に、採用活動をするかもしれません。
そうなると学校としては、内定率を学生集めの大切な数字にしているので、そうした企業の動きに乗らざるを得ません。もちろん、学校のその動きは学生のスケジュールにリンクします。
1番かわいそうなのは、やりたくて入った勉強に集中できず、すぐに就職活動を始めなくてはいけなくなるかもしれない、学生です。
とりあえず就活ルールを表明し、目的に添えなかったからととりあえず廃止した、最近の経団連の動き。
表明時と同様、その結果起こりうるリスク対応を現場である企業に丸投げする雑な動きは相変わらずです。
事前に学校や企業と情報共有して、それによって起こりうるリスクを全体でどう対応するか検討してからやるべきです。
さて、私も、今働いている会社で廃止となる2021卒向けの活動についてどうするか、これから話し合っていこうと思います。
今から活動開始、なんてこともありうるなぁ。